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学習指導要領を読んでみた

「生きる力」を与える力

 

 

 

「生きる力」=「稼ぐ力」

 いかに教育熱心な親でも、文部科学省の学習指導要領や中教審による答申などを実際に読んだという人は少ないだろう。

 読んで面白いものではないが、世間に流布している説が正しいかどうか確かめるには、実際に読んでみるしかない。学習指導要領を読めば、例えば「円周率は3と教えよ」などとは決して書いてないことがわかるだろう。

参考・学習指導要領関連本一覧

 このような誤解はあったものの、いわゆる「ゆとり教育」は、学力低下の原因であると批判されて鳴りをひそめた。それに代わって強調されているのが「生きる力」であるが、「生きる力を身につけるためのゆとり」なのだから、両者は軌を一にすると見ていい。

 ところで、「生きる力」と聞けば、どんな力のことだと思うだろうか。

 率直に言って、「稼ぐ力」こそ、それなのではないか、と思う。現代というこの苛酷な時代に子供を送り出さなければならない親としては、これこそがまずわが子に身に付けて欲しい「生きる力」ではなかろうか、と思うのだ。

 と考えると、まず疑問に思うのが、本当にそんなものを学校で教えられるのか、ということである。景気がどんなに悪くてもつぶれることのない公立学校の、よほどの不祥事でも起こさない限りはクビにならない先生たちに、そもそも人に教えるほどの「稼ぐ力」が備わっているとも思えないのである。

 

文部科学省が考える「生きる力」

 では、文部科学省が考える「生きる力」とは何なのか。そこで学習指導要領や文部官僚のコメントを読んでみよう。

 「いかに社会が変化しようと、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力」

 「自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性」

 「たくましく生きるための健康や体力」

とある。

 ここで筆者が「稼ぐ力」と言っても、狭い意味での金儲けの技術などに限っているわけではない。従って、確かに、これらも間接的には「稼ぐ力」となり得るものを含んでいる。

だが、やはり、こういうことを学校で学ぶ(*)ことには相当な無理があるのではないかと思わざるを得ないのだ。

 (*)以前、NHKで米大学の起業家養成講座のカリスマ教授が日本で出張授業をするという番組(『スタンフォード白熱教室@大阪大学』)をやっていて、これをちょっと変えたら小学生・中学生・高校生などにも使えるのではないかと思ったが、そのくらいのレベルでやらない限り、こんな力を身に付けさせる授業は難しいのではないかと思う。

 

学校は教科に集中するべき

 こうしてみると、文部科学省の掲げる理念はなかなか立派なのだが、ある意味でこれらは大人にとっても「理想」なのであって、国語・算数・理科・社会などをいかに総合したところで身に付くといった性質のものではないように思える。いや、そもそも「教える」といったこと自体になじまないだろう。国語・算数・理科・社会といった教科であれば、教えるべき内容も決まっており、学校にはそれなりのノウハウもあるだろうが、「生きる力」などというものは、結局大人の生きざまを見せ、感じ取らせるしかないものだ。

結論から言えば、学校よりも家庭で教えるほうが適当なのではないか。

従って学校は、とりわけ中学校・高校という段階であれば、もともとノウハウのある「教科を教える」ということに集中したほうがいい。むしろそのほうが結果的に子供の「生きる力」=「稼ぐ力」を育むことになる。学校が教えられる「生きる力」とは、結局のところ「学ぶ力」以外にないと思うのだ。

 

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学力の基礎は家庭でつくられる

 とは言え、学習指導要領が「生きる力」を強調するのにも、決して理由がないわけではない。

 教育評論家の小宮山博仁氏は、『小学生版「超」勉強法』で、次のように述べている。

 「時間の概念を知ることと「しつけ」とは、とても密接な関係があることも忘れないでください。毎日、朝7時に起きて、730分に食事をして、810分に家を出る。夕方6時までに家に帰り、夜9時には歯を磨いて寝る。このような規則正しい生活習慣は、きちんとしたしつけをしないと身につかないことは明らかです。「しつけ」ができていないお子さんは、時間の概念を理解するのに時間がかかるといっても過言ではありません」

 つまり、学校の勉強以前に、家庭での生活習慣なり、日常生活における体験が不足している場合、教科の学習においても場面などを具体的に想像することができず、これが子供の学力の低下につながるというのだ。

 言い換えれば、学力の基礎は、実は学校でなく家庭でつくられるということである。

[参考書] 小学生の勉強法 中学生の勉強法 高校生・大学受験生の勉強法

 

 

なぜ「学校」で「生きる力」なのか

 繰り返しになるが、「生きる力」とは、学校よりもむしろ家庭で身に付けることこそ適当なものである。文部科学省がわざわざ学習指導要領に載せ、学校で身に付けさせようとしていること自体、奇妙なことだ。だが、現代の子供たちには、家庭で放任されている、親との対話が少ない、その結果として学習の基礎となるべき生活体験が不足しているために、学校の勉強にも支障をきたしているという実態があるのだ。

つまり、家庭で身に付けるべきことができていないからこそ、学校がそこまで踏み込まなければならない。それが、文部科学省が学習指導要領などで「生きる力」を強調するゆえんではないのだろうか。

 これは、高学年以上になっても同様である。昔の子供たちは、親に放任されていても外で友達と遊び、それはそれなりに社会性を身に付けたり、生活体験を積む機会にもなっていたはずだ。ところが、現代の子供たちは、放任されれば室内に閉じこもって一人遊びのゲームをするばかりである。それは社会性や生活体験とは無縁の世界と言っていい。

 

「生きる力」はディジタルの逆

 ここでもう一度、文部科学省が考える「生きる力」を振り返ってみよう。

 「いかに社会が変化しようと、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力」―現代の子供たちの遊び場がディジタル・ゲームだとすれば、それはあらかじめプログラムされた世界であって、現実世界のように想定外の事態に対処する機会はない。

 「自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心などの豊かな人間性」―ディジタル・ゲームの世界は基本的に一人か、相手がいても直接に関わりあうことはまれである。

 「たくましく生きるための健康や体力」―室内のゲームでは、体を動かすことも少なく、外遊びに比べて体力が付くとは考えられない。

 すなわち、文部科学省が学習指導要領に言う「生きる力」とは、「決められたプログラムに従って、他人とかかわりあうことなく、室内でじっとしてやる」ディジタル・ゲームの世界と、真逆のことを目指しているのである。

 この符合は決して偶然ではない。われわれの世界が、あるいは家庭がいかにディジタルの世界に侵され、結果的に子供たちの「生きる力」=「稼ぐ力」が失われているかという証でもあるのだ。

 

「生きる力」を与える力

確かに、「生きる力」なんて学校で教えられるものではないし、学校では教科を教えることに集中したほうが効率的ではあるかも知れない。だが、子供たちの「生きる力」=「稼ぐ力」が失われているという現実を前にして、もし家庭や親が何の対策も講じないのならば、これをやるのは学校しかないのである。子供たちが日常的に直接、一定以上の深さで関わりをもつ場所とは、結局のところ家庭と学校以外にはないからだ。

 学校には出来る限り「教科に集中」してもらいたい。それが望ましい姿だと思う。だが、そのためには、まず家庭の側が「『生きる力』を与える力」を取り戻さなければならない。

では、どうすればいいのか。難しく考える必要はない。子供をほったらかさない。子供にもっと話しかける。一緒に遊んだり、アナログのゲームをしたり、本を読んであげる。学校でやっている勉強に関心をもち、親自身も関連の本を読んだりして、勉強してみる。別に気構える必要はないが、心持ちひとつで状況は大きく変わるのではないだろうか。

それが文部科学省の学習指導要領を読んで考えたことである。

 

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