「科学短歌」の使い方
例えば、「力の合成と分解」は、平行四辺形を描けばできることを知ってはいても、斜面の上の物体にどんな力が作用するか、すぐに作図できるでしょうか。とっさに聞かれたら、どの力が「辺」になって、どの力が「対角線」になるか、混乱してしまうかも知れません。
そこで、一首。
重力を対角線とする力受けつつ球は坂を転がる。
(じゅうりょくを たいかくせんと するちから うけつつたまは さかをころがる)
また、空気中から水中に光が差し込むとき、そして逆に水中から空気中に光が出るとき、光はどんなふうに屈折するのでしょうか。実は同じ軌跡を描くのですが、そのために水上から水中を見ると深いところのものが少し浅く見えるのです。
そこで、一首。
水面にて曲がる光をまっすぐと錯覚すれば魚浅く見ゆ。
(みなもにて まがるひかりを まっすぐと さっかくすれば うおあさくみゆ)
すなわち、実際の魚は、目に入る光の延長線よりも少し深いところにいるのです。
このように、このサイトの「科学短歌」は、理科の内容を直感的にすぐ思い浮かべたり、記憶しやすくするために作られています。
では、「なぜ短歌なのか」と言えば、
1. イメージがわきやすい
2. 覚えやすい
ということのほかに、
3. 遊べる
ということがあります。五七五七七ですから、百人一首のように上の句と下の句をわけて、カルタにすることだってできるのです。
内容は、小学生から高校生くらいまでの理科に対応しています。現役の中学生・高校生だけでなく、お子様の受験などで、「理科は不得手だけれど教えなければならない」という大人の方もぜひご利用下さい。
短歌は、物理・化学・地学・生物の科目と項目別に分類してあります。ご興味のある分野、勉強している分野、「どうも覚えにくい」と思っている分野などを開いてみて下さい。
ちょっと注意していただきたいことですが、五七五七七という形式上、必ずしも厳密に科学的な記述にはなっていません。ですから、これだけで勉強しようとしても、やや無理があります。
そこで、参考資料も掲載していますので、それも併せて読んでいただくと、「短歌だけ」よりもずっとよくわかると思います。また、資料を読んでから短歌をみると、資料の内容がもっとよく頭に入ります。
それでは、「科学短歌」の世界をお楽しみ下さい。
Kindle Unlimited にて、すべて無料でお読みいただけます。 『理科百人一首 物理・化学編』小学校高学年から高校の先取りまで。詳しい解説で文系のお父さん、お母さんがお子さんに説明してあげられるようにしました。 『理科百人一首 生物・地学編』五七五七七なら生き物や人体、地球と宇宙のしくみが直感的にイメージできます。解説、確認問題付きで、覚えやすいように工夫しています。 『元素百人一首』特色や用途を五七五七七で覚えられます。解説、確認問題付き。 『日本史人物 百人一首』かるた遊びは小学生から。解説は歴史の流れや人物関係を重視し、中学と高校をつなぐ内容になっています。 『世界の国々 百人一首』中学地理でとりあげられる国については地理や気候を、比較的なじみのない国については歴史を重視して五七五にまとめ、解説しました。かるた遊びもできます。 |