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「やる気とコミュニケーション能力」
「指導要録」のための評価法については、学校の先生のための参考書がいくつもあるので、その気になればいくらでも調べることができる。
とは言え、教師でもない一般の人たちが「指導要録」にある評価の観点の詳細を知ることにそれほど意味があるとは思われない。
それというのも、「指導要録」の観点が詳細に定められているのは、そうすることで単なる教師の印象といった主観的な評価を避けて、出来るだけ妥当性を高めるねらいがあるからである。別に、生徒に向かって「それに合わせろ」と言っているわけではないのだ。評価される側の生徒や親は、およそのイメージさえつかんでおけば十分なのである。
では、そのイメージとはどんなものなのか。あえて一言で言うなら、
「やる気とコミュニケーション能力」
ということになるだろう。
「ペーパーテストが悪くても・・・」
こう言うと、「ペーパーテストの成績が悪くても、やる気を見せて上手いことを言えるやつの評価が高くなるのか」と思われるかも知れない。確かに、ペーパーで失敗しても「やる気とコミュニケーション能力」があるなら多少は補えるということはあるだろう。
また、いかに評価の観点を詳細に定めたところで、「やる気とコミュニケーション能力の評価などは結局主観的なものになるのではないか」という懸念もあるに違いない。人知れずこつこつ努力するようなタイプは損で、先生を喜ばせるのが上手な生徒が得をするのではないか。要するに不公平ではないか、ということだ。
確かに、「ひいき」とか「えこひいき」というのは、子供がいちばん嫌うことでもある。
だが、ちょっと考えてみてほしい。
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「平等」と「公平」は世間に通用するか?!
「平等」だの「公平」だのという価値観は、原理原則としては大事だと思うが、現実にはあまり通用しないのではないか。
私見では、学校が「平等」、「公平」に則って運営されているのは、法律に基づく国家の出先機関だからである。
ところが、外に一歩出てみれば、そんな価値観など一切通用しない荒野が茫漠として拡がっているのをご存じだろう。
例えば、である。あなたの家の近所に、全く同じ品物を同じ値段で売っているスーパーが二軒並んで店を開いていたとする。
ほとんどそっくりの店なのだが、ただ一つ違うのは「店員の態度」である。
すなわち、一方の店の店員は、いかにもやりがいのある仕事に恵まれているといった感じで、いつもやる気に満ちた表情をしている。ところが、他方の店では、店員はいつも何かしら不満のある様子で、いかにもふてくされている感じがする、とする。
ではこんな場合、もしあなたなら、「一方だけをひいきにするのは不公平だ」とか「どちらも同じように扱わなければ不平等になる」などという理由で、わざわざ両方の店に通って、半々ずつ買い物をしたりするだろうか。
また、あなたでなくとも、そんなことをする客が誰かいるだろうか。
いるわけがないのである。
ほぼ間違いなく、一方の店は繁盛し、他方の店は閑古鳥が鳴くという状態になるだろう。そのうち、繁盛店に値下げ余力ができたりすれば、もう片方の店は存続さえ危ぶまれる事態になるに違いない。
学校に「現実」を持ち込む
現実社会がこんな具合なのに、一体なぜ学校だけが、やる気を見せている生徒と、いかにもやる気がなさそうに見える生徒を、「平等に」扱わなければならないのか。
誤解を招かないように言えば、学校が「公平」「平等」の価値観を放棄することはあり得ない。だが、現実世界がこうなっている以上は、「公平」「平等」な評価といえども、現実の価値観を考慮した上でしたほうがいいということになるだろう。
それというのも、学校時代に、ペーパーテストの結果に基づいた「公平」「平等」「客観」などという価値観を素朴に信じ込んでしまって、「黙々とやっていれば世間はおのずと評価してくれる」などと思い込んでしまう方が、むしろよっぽど危ないからである。
そもそも現実の社会では、ペーパーワークの出来だけで評価が決まる仕事なんてそう多くはないのだ。逆に、「やる気とコミュニケーション能力」さえあるならば、ペーパーワークは不得手でも何とかやっていける仕事の方が多いに違いない。その意味で、「やる気とコミュニケーション能力」を加味した評価法とは、現実社会の価値観を学校に持ち込んだものに過ぎない。
考えてみれば、内申書の評価にも少なからず影響すると思われる「遅刻をしない」とか「提出物の期限(納期)を守る」などという事項は、仕事をする上では当たり前の、言わば基本中の基本なのである。これまでの「ペーパーテストさえよければ、あとは多少のことがあっても大目にみる」という評価法の方がむしろおかしかったのだとも言えるのだ。
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