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内申書とは何か

--内申書(調査書)は、どこが評価されるのか--

 

 

内申書の恐怖(!?)

 中学受験の体験記シリーズで知られる鳥居りんこ氏によれば、息子の私学受験を決意させたものの一つに公立中学から高校に出される「内申書」があったということである。「息子の性格から判断して、高い内申点がとれるわけがない」というのがその理由だそうだ。りんこ氏の著書を見ると、年間100万円もの月謝や講習費を中学受験塾に払い、凄まじいほどのストレスと闘っている。そして、くじけそうになるたびに「公立で内申書を書かれるのに比べたらマシ」と自分に言い聞かせておられる。まさに「内申書の恐怖」こそ、中学受験の原動力だと言わんばかりである。

しかし、果たして「内申書」とは、本当に、それほどまでに怖しいものなのだろうか。子供がまだ小学生だというのに、その母親にそこまでの恐怖心を抱かせた「内申書」とは、実際のところ一体何なのだろう。

 

内申書対策はある(?!)

 児童・生徒の成績評価が相対評価から絶対評価となり、ただでさえ評価の客観性の確保が不安視されているのは確かである。そんな中、「内申を悪くするぞ」と脅しをかける先生がいるらしいと聞けば、親の不安は高まる一方だ。しかし、だからと言って年間100万円の費用をかけて小学校3年から塾通いさせ、私立中高一貫校を卒業するまでにかかる費用は1000万円とも言われている。そんなおカネをかけてまで公立校を避けることが本当に賢い選択なのだろうか。そして何よりも、そんな費用をかけられない家庭の子供と親は、「内申点」なるものに戦々恐々としながら日々を過ごさなければならないのか。

そんなことがあっていいはずはないだろう。

結論をまず言ってしまえば、いたずらに怖がるものではない。

怖いのはその中身がよくわからないからだろう。しかし、個々人の内申書についてはともかく、評価のポイントなどは公開されている。従って、これを調べてみるならば、対策はおのずと見えてくるはずではないか。

 

内申書=調査書

では、「内申書」とは実際のところどんなもので、どんなところが評価の対象とされるのだろうか。

 ご存じの方も多いとは思うが、「内申書」という言い方は正式のものではなく、実際には「調査書」などと言う。

一般に、「内申書」とか「調査書」と言えば高校受験の際に中学校の先生が作成し、高校に送るものというイメージである。しかし、実際には同様のものは高校でも作られるし、小学校でも作成されている。ただ、通常の大学受験ではあまり重視されていないし、中学校でも公立の場合はふつう受験や選考といったものがないので話題になることがないだけだ。従って、やはり大多数の人たちにとって気懸かりなのは、中学校で作られて高校に送られる「内申書」の方だということになる。

もっとも最近は「公立中高一貫校の受験」が流行の兆しを見せているので、その際に提出される小学校の内申書(調査書)が気になるということもあるかも知れない。

 ここでは特に高校受験の際に中学校の側で作成する内申書(調査書)を念頭に置きながら、一般的に「内申書」について述べてみることにしよう。

 

「指導要録」とは何か??

 さて、「内申書(調査書)」について知るには、まず「指導要録」なるものについて知る必要がある。

 「指導要録」と聞いても一般の人にはピンと来ないだろうが、実は「内申書(調査書)」も、学期の終わりに子供が持ち帰る通知票も、この「指導要録」が基になっているのである。

この「指導要録」とは、法律的な拘束力のある文書である。これには児童・生徒の学業成績や生活態度をどのような観点からいかにして評価するかがこと細かく定められていて、それ基づいた評価が記載されている。そして原簿として卒業の後も一定期間学校に保存されることになっている。

この「指導要録」が改定されれば、評価の観点や方法も変わることになる。それまで評価の対象でなかったものが評価されたり、評価の対象であったものが対象から外されたりすれば、当然ながら評価の結果も変わることになるだろう。従って「指導要録」の規定は、成績それ自体を左右すると言ってもいいものだ。

 

内申書(調査書)の原簿

 一方、「内申書(調査書)」に記載されるべき項目は都道府県の教育委員会などが定めることになっており、また通知票のほうは内容を学校が独自の判断で自由に決めてもよいのだそうである。

ところがその原簿が「指導要録」という法的に拘束力のある文書と決まっているのだから、そこから大きく外れた内容になるとは考えにくいだろう。

つまり、「内申書(調査書)」にしても通知票にしても、まず「指導要録」について知らなければその評価についてあれこれ言うことはできないし、逆に「指導要録」の評価法がわかれば、どうやったら評価を上げることができるか、およその見当は付くはずなのである。

 

「やる気とコミュニケーション能力」

「指導要録」のための評価法については、学校の先生のための参考書がいくつもあるので、その気になればいくらでも調べることができる。

 とは言え、教師でもない一般の人たちが「指導要録」にある評価の観点の詳細を知ることにそれほど意味があるとは思われない。

それというのも、「指導要録」の観点が詳細に定められているのは、そうすることで単なる教師の印象といった主観的な評価を避けて、出来るだけ妥当性を高めるねらいがあるからである。別に、生徒に向かって「それに合わせろ」と言っているわけではないのだ。評価される側の生徒や親は、およそのイメージさえつかんでおけば十分なのである。

 では、そのイメージとはどんなものなのか。あえて一言で言うなら、

 「やる気とコミュニケーション能力」

 ということになるだろう。

 

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「ペーパーテストが悪くても・・・」

 こう言うと、「ペーパーテストの成績が悪くても、やる気を見せて上手いことを言えるやつの評価が高くなるのか」と思われるかも知れない。確かに、ペーパーで失敗しても「やる気とコミュニケーション能力」があるなら多少は補えるということはあるだろう。

 また、いかに評価の観点を詳細に定めたところで、「やる気とコミュニケーション能力の評価などは結局主観的なものになるのではないか」という懸念もあるに違いない。人知れずこつこつ努力するようなタイプは損で、先生を喜ばせるのが上手な生徒が得をするのではないか。要するに不公平ではないか、ということだ。

確かに、「ひいき」とか「えこひいき」というのは、子供がいちばん嫌うことでもある。

 だが、ちょっと考えてみてほしい。

 

「平等」と「公平」は世間に通用するか?!

 「平等」だの「公平」だのという価値観は、原理原則としては大事だと思うが、現実にはあまり通用しないのではないか。

私見では、学校が「平等」、「公平」に則って運営されているのは、法律に基づく国家の出先機関だからである。

ところが、外に一歩出てみれば、そんな価値観など一切通用しない荒野が茫漠として拡がっているのをご存じだろう。

 例えば、である。あなたの家の近所に、全く同じ品物を同じ値段で売っているスーパーが二軒並んで店を開いていたとする。

ほとんどそっくりの店なのだが、ただ一つ違うのは「店員の態度」である。

すなわち、一方の店の店員は、いかにもやりがいのある仕事に恵まれているといった感じで、いつもやる気に満ちた表情をしている。ところが、他方の店では、店員はいつも何かしら不満のある様子で、いかにもふてくされている感じがする、とする。

ではこんな場合、もしあなたなら、「一方だけをひいきにするのは不公平だ」とか「どちらも同じように扱わなければ不平等になる」などという理由で、わざわざ両方の店に通って、半々ずつ買い物をしたりするだろうか。

また、あなたでなくとも、そんなことをする客が誰かいるだろうか。

いるわけがないのである。

ほぼ間違いなく、一方の店は繁盛し、他方の店は閑古鳥が鳴くという状態になるだろう。そのうち、繁盛店に値下げ余力ができたりすれば、もう片方の店は存続さえ危ぶまれる事態になるに違いない。

 

学校に「現実」を持ち込む

現実社会がこんな具合なのに、一体なぜ学校だけが、やる気を見せている生徒と、いかにもやる気がなさそうに見える生徒を、「平等に」扱わなければならないのか。

誤解を招かないように言えば、学校が「公平」「平等」の価値観を放棄することはあり得ない。だが、現実世界がこうなっている以上は、「公平」「平等」な評価といえども、現実の価値観を考慮した上でしたほうがいいということになるだろう。

それというのも、学校時代に、ペーパーテストの結果に基づいた「公平」「平等」「客観」などという価値観を素朴に信じ込んでしまって、「黙々とやっていれば世間はおのずと評価してくれる」などと思い込んでしまう方が、むしろよっぽど危ないからである。

そもそも現実の社会では、ペーパーワークの出来だけで評価が決まる仕事なんてそう多くはないのだ。逆に、「やる気とコミュニケーション能力」さえあるならば、ペーパーワークは不得手でも何とかやっていける仕事の方が多いに違いない。その意味で、「やる気とコミュニケーション能力」を加味した評価法とは、現実社会の価値観を学校に持ち込んだものに過ぎない。

考えてみれば、内申書の評価にも少なからず影響すると思われる「遅刻をしない」とか「提出物の期限(納期)を守る」などという事項は、仕事をする上では当たり前の、言わば基本中の基本なのである。これまでの「ペーパーテストさえよければ、あとは多少のことがあっても大目にみる」という評価法の方がむしろおかしかったのだとも言えるのだ。

 

「やる気とコミュニケーション能力」の問題点

ただし、「やる気とコミュニケーション能力」を評価の対象とし、しかもその評価を「指導要録」なり、「内申書(調査書)」に記載するということであれば、学校として「やる気とコミュニケーション能力」を高めるような教育・指導を、生徒に対して適切に施さなければならないのは当然だろう。

ところが、その辺のことはちょっと心もとないと言わざるを得ない。

単に「標語」や「題目」を掲げておいたり、たまにお説教をすればいいというものではないからだ。

なるほど、国語の先生は国語教育、数学の先生は数学教育の専門家ではあるかも知れないが、生徒のモチベーションを高めたり、コミュニケーション能力を開発したりするには、それとは別のノウハウが必要なのである。

そこのところが解決されない限り、「教育の結果」を評価するのではなく、その子供の「もともとの性格」を評価するということになりかねない。それは、どう考えても「学校」という場で評価するには不適当な内容である。となると、冒頭のりんこ氏のように「うちの子の性格では・・・」と気に病む親が現れてもおかしくはないのだ。

 

子供のモチベーションを高める

しかしながら、新しい「指導要録」は既に始まっている。しかも、これがまた以前のペーパーテスト中心主義に逆戻りするとはちょっと考えにくいのである。学習指導要領が「生きる力」を基本理念に掲げている以上は、そして単にペーパーワークをこなす能力だけでは「生きる力=稼ぐ力」として不十分であることが明らかである以上は、「やる気とコミュニケーション能力」の重視は避けて通れないものだからだ。

従って、私たちの子供も公立校に行くのであれば、いずれは「やる気とコミュニケーション能力」を評価された「内申書」を高校に送られることになるに違いない。

だとすれば、親としてはどのような対策をとればいいのだろうか。

まず、子供のモチベーションを高めなければならない。これについては別の機会に詳説するが、「指導要録」の評価法がどうであれ、あるいは「内申書」のあるなしによらず、人生においてモチベーションを高める時期は絶対に必要だ。

とりわけ中学に入ると、科目によって担当教諭が異なるわけだから、仮に国語の時間にやる気を見せても、数学が不得手でいつも浮かぬ顔で授業を受けていたら、数学の先生はその子の「やる気のない顔」しか見ていないことになる。

だから、学業全般に対するモチベーションを高めておくことは非常に大事なことになるだろう。

 

「仕事の価値観」を伝える

もう一つ大切なこととしては、「仕事上の価値観」を子供に伝えておくことがある。

例えば、お客さんを獲得するということがいかに大切で、しかも困難なことであるか、また「信用」というものがいかに大切なものであるか、提出物の期限(納期)を守るということの意味(デートの待ち合わせに遅れるのとは違う)など、親として教えておくべきことは少なくないはずだ。

決め手となるのは、ここでもやはり家庭教育の力である。

そういう対策は、できれば小学生時代からやっておいたほうがいい。中学に入ってからでは、勉強が難しくなったり、思春期のもろもろの問題が生じたりするので、もうそんな話を聞いている余裕はないかも知れないからである。

いずれにせよ、「子供にはただ勉強(とスポーツ)さえさせておけばいい」という時代は既に終わった。そのことは、肝に銘じておかなくてはならない。

 

内申書対策=家庭教育のチャンス

ここで最初に戻ろう。

「内申書」とは、そんなに怖しいものだろうか。

これまで述べたことからも知られるように、「内申書」とは、これを避けるために1000万円もかけて私立の中高一貫校を受験させなければならないような、悪魔の文書のごときものではない。

家庭教育によって適切な対策をとることは可能だし、それは子供にとって「世間」の価値観に慣れるための準備ともなるだろう。

それは、ある意味で家庭教育のチャンスでもあり得る。むしろ楽しんでやりたいものである。

「内申書」「内申点」など怖れるには足りないのだ。

 

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