子どもを「真っ当な職」に就かせるために
小学校からできること
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景気が良かろうと悪かろうと、大学生の就職活動は辛いものだ。
その辛さの背景には、大学進学率の上昇による競争の激化があり、さらにその要因として少子化による大学全入時代の到来、さらに新設私立大学の増加の影響が指摘できるだろう。
そして私立大学の多くが文系であることを思えば、昨今の就活をめぐる苛酷な状況は、そのかなりの部分が「私立大文系」の問題であると捉えることもできる。
「日本は技術立国」などと言いながら、実態は文系を選択する生徒が多く、その多くが私立大学に進学する。その結果、学生の多くが勉学もそこそこに就活という過当競争に身を投じなくてはならなくなる。
しかも、これに敗れれば一生を棒に振るかも知れないのだ。
なぜ、そんなことになるのか。
その大きな理由の一つが、「高校で数学をあきらめた」ことにあるのではないだろうか。
多くの高校生は、「数学ができない」ことの制約から、進学先として私大文系を選ばざるを得なくなっている。反対に、数学が得意であれば理系はもちろん、文系でも国公立大学への進学を狙える。そうなれば就職に有利なだけではなく、親の経済事情にとっても好ましい。
では、なぜ「高校で数学をあきらめる」生徒がこんなにも多いのか。
結論から言えば、中学に比べて高校の勉強が格段に難しくなるからだ。
だが、難しくなるのは理系科目も文系科目も同じである。ではなぜ、理系科目ばかりが嫌われるのだろうか。
実は、理系科目、とりわけ数学には文系科目にはない事情がある。
それは「予備知識」を仕込む機会がきわめて少ないということだ。
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これが文系科目であれば、ふつうに読書をしても、テレビや映画を観ても勉強になることがある。ところが、たいていの中高生にとって、ふだんの生活で算数を使うことはあっても、数学を意識する機会はほとんどない。少なくとも、特別な導き手(人であれ本であれ)がない環境で、日常生活を数学的に見直し、そこから学ぶなどということはないと考えられる。
そんな中、学校でいきなり、「sin」「cos」だの、「log」だのと言われても、目が点になるか、「自分と関係ない」と思ってしまうだけだ。数学そのものの難しさよりも、見慣れないものへの拒否反応が先に出てしまう。
さらに数学などは、概念を知ってから使いこなせるようになるまでにある程度の「熟成期間」が要るために、「やっつけ勉強」が利きにくいことが嫌われる理由だろう。
このような事態を避けるためには、早い段階から理系的な考え方に慣れ親しむことだ。
だとすれば、「sin」「cos」や「log」についても、「+、−、×、÷」を勉強したときのように、じっくりと時間をかけて身に付けるのがいい。一見難しそうに思えるかも知れないが、小学校高学年であれば、三角関数や対数の基本的な原理を理解することができる。さらに、心理的な負担をかけずに、遊びながら学ぶことができれば理想的だ。
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確率も、三角関数や対数も、高校数学を学び始めたときのつまずきの石となり得る項目である。けれども、原理そのものは簡単で、小学生にも直観的につかみやすい。
小学生の頃から遊びを通してこれらの考え方に日常的に触れておくことの大切さは、計り知れないものがある。読書や映画鑑賞が文系学習の糧になるように、日常生活で見聞することが数学や理系科目の学習に役立つようになり得るからである。
このように、将来、子どもを「真っ当な職」に就かせることが教育の目標であるならば、その照準は大学進学、そしてその準備段階としての高校での勉強に合わせるべきである。子どもの人生に直接影響を及ぼすのは、やはり大学での専門教育であり、その大学の選択の幅を決めるのが高校レベルでの成績であるからだ。
巷では早期教育が流行している。だが、しょせん小中学校の内容では、たとえ高額な費用をかけて一、二年先に進んだとしても、それが将来大きな差となってあらわれるとは考えにくい。
このように小学生の教育においても、流行に踊らされたり、短期の成績に一喜一憂したりすることなく、長い眼で将来を見据えることが大切なのではないだろうか。
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