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「私学の理念」に触れる意味
さらに、いわゆる「創校の理念」に触れられることも私立校のメリットの一つであるとされている。「理念」なんて何の役にも立たない能書きだと思っている人もいるだろうが、これを本気で信じていなければ学校なんて造れるものではない。企業経営の場合も同じことであって、「理念」がなくてモチベーションが金儲けだけなら、儲からなくなった時点でアウトである。ましてや学校を造って大儲けできるとは誰も思わないだろうから、私学にとって理念とは「存在理由」とほぼ同義であると言ってもよいほどのものだろう。ところが言うまでもなく、理念だけで経営が成り立つわけがないのだ。学校といえども金銭的収入が絶たれれば倒産するほかはない。かといって金儲けのことばかり考えているなら、そこはもはや学校とは言えない。私立校に通う生徒は、意識するとしないとにかかわりなく、この理念と経営、理想と現実のバランス、あるいはギャップを目の当たりにすることになるだろう。
考えようによっては、これは公立校に進学した者には経験することのできない、私立の中高一貫校に進学した生徒だけが享受できる大きなメリットの一つではないかと思う。なぜならば、世の中というものは、結局のところ理想と現実のバランス、あるいはギャップによって動いていくものだからだ。実は公立にも「理念」はある(公立校の理念とは、戦前は教育勅語であったし、戦後は日本国憲法である)。というか、先生よりも生徒が少なくなってもなお潰れない公立校とは、むしろ「理念」のみがあって「経営=現実」を欠いている存在なのである。これに対して、「理念=理想」と「経営=現実」の両方を備えた私立の中高一貫校こそ、子供たちにとっては世の中の仕組みを知るためのよい予行演習の場になるのではないか。
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私立中高一貫校校長の著書など
その意味で、私学の理事長や校長先生には積極的に発信し、人生の指針を示していただきたいものだと思っている。だが、著書を出しておられる方は意外に少ない。その中では、『女の子が幸せになる子育て』(漆 紫穂子著)、『男の子がやる気になる子育て』(川合 正著)などが代表的なものだろう。いずれも中学受験本でも自校の宣伝のための本でもないが、学校の理念と経営の一端から校長の人柄まで垣間見ることができる好著である。
だが何と言ってもその白眉は、『時に海を見よ』(渡辺憲司著)であろう。震災のために卒業式を中止した高校3年生に向けたメッセージが基になっている本だが、こういう言葉を贈られる生徒は本当に幸せ者だと思える。
最後に、およそ受験や子育て、学校選択などとは関係のなさそうな本を是非ご紹介したい。『僕は君たちに武器を配りたい』(瀧本哲史著)。これはもともと大学生や社会に出たばかりの若者に向けて、すでに始まっている非情かつ冷酷な「本物の資本主義」をどう生きるかを説いた書物である。これから子供たちが生きることになろう現実社会がどんなものであるか、そしてどのような資質を備えた者が生き残っていけるのか、その見通しについては親として多少なりとも知っておくべきだろう。では、生き残るためには何を学ぶべきなのか。それはどこで学べるのか。私学なのか、公立なのか。そもそもそれは学校で学べるようなことなのか。もし学校で学べないのだとしたら、どうすればいいのか。
おそらくは、それとなく親が教える以外にないのかも知れないのである。
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