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中学受験ブームのプラス面
と、ここまで書けば、あたかも中学受験とはすべて悪であると言っているような印象を与えるかも知れないがそういうことではない。「公立不信ビジネス」によらない、「行きたい学校に行く」ための中学受験はあって当然だし、選抜方法等に改善の余地があるとしても、受験それ自体が批判の対象となるべきものではないと考える。
さらに昨今の中学受験ブームには、プラス面もあることを強調しておかなくてはならない。しかもその恩恵は、中学受験しない子供たちにさえも及んでいると言えるのだ。
その恩恵とは何かと言えば、まず小学生向きのさまざまな学習書の出版や教材の開発である。直接に「中学受験用」を謳っていなくても、おそらくは中学受験を意識した内容の補助教材的な絵本、事典・図鑑、学習まんが、DVD、カルタや算数ゲームなど、多彩かつ詳細な内容のものが出ている。少子化が進行し児童書のマーケットが縮小する中、もし中学受験という制度がなければ、これほどの数は出なかったのではないだろうか。おかげで、中学受験しない子供であっても楽しく学習できる。マンガなどによる学習の先取り効果は意外に大きいのだ。中学受験する、しないにかかわりなく、このような遊びの要素を取り入れた教材は、子供に与えれば面白いように覚えてくれるのである。
参考 [学習まんが--理科・科学]
先取り学習の効用
また、中学受験・中高一貫校と言えば、いわゆる「先取り学習」である。これを悪く言う人もいるが、それは当たらない。それどころか、むしろ先取りは積極的に推奨されるべきことだと思う。それというのも日本の教育カリキュラムは、小学校・中学校の内容が薄い分、高等学校に負担が集中しすぎているからである。公立の場合、中学から高校に入って急に難しくなり、面食らった経験のある人も多いのではないだろうか。中学校までは理解の底が浅くても点がとれたりする。そこで自分は優等生だと思って高校に来たところが、新しい内容が多すぎて授業についていけなくなってしまうのだ。だから多すぎる高校の内容を、なるべく前倒しして中学で勉強することによって平準化し、高校段階での負担を減らしたほうがいいのである。
このような先取りが、高校入試のない中高一貫校では公立校に比べてやりやすいのは明らかだ。確かに、これは大きなメリットに違いない。
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「先取り」の意味
ただし、単なる授業の前倒しでは芸がなさすぎる。ただ授業のスピードを速くして、応用問題は宿題にしてどんどん先に進むというやり方では、負担が重くなる時期が早まったというだけであって、負担の重さは変わらない。かえって重くなるかも知れない。それでは、「先取り」の意味をはき違えているに過ぎない。消化不良を防止したいのに、消化不良を早めているだけなのである。
そもそも「先取り」の意味とは何か。なぜ「先取り」したほうが学習効果が上がるのか。それは、早めに全体像をつかんで見晴らしをよくしておくことによって、学ぶべき項目それぞれの関係がわかり、それまでばらばらに見えていたことが一つに整理されるからである。それが「わかる」ということだ。
これは、山登りみたいなものである。山頂に辿り着けば見晴らしはよくなる。だが、そこが山頂までの最短ルートだからといっていきなり崖から登り始めるよりは、遠くてもなだらかな道を行ったほうが楽に決まっているではないか。ただし、遠い道を行くのであるから、早めに出発する必要がある。その「早めの出発」こそ「先取り学習」の意味である。
このような「先取り」の考え方については別に詳しく論じることにするが、このような考えに基づいて小学生の段階から中学の学習内容について予備知識を得ておくことは、別に中学受験をしない子供にとっても悪いことではないし、先に述べたような教材を活用するなら楽しみながらできてしまうことなのである。
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