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「中学受験」本の著者たち
では、そのような「中学受験」本とは、いかなる著者によって書かれているのか。調べてみると、多くは進学塾・受験塾の経営者ないしその関係者であることがわかる(これは、東大合格をテーマとした本の多くが体験記であって、受験業界関係者のものが少ないのと対照的である)。
言わば、「中学受験人口の増加によって直接的に儲かる人々」が書いているわけで、そうなると、中学受験を奨めない本を書くとはまず考えにくいだろう。
まさに図星であり、あるものは執拗に、あるものはさりげなく公立校を批判し、中学受験を奨める。「少子化」という逆風の中、天の恵みのごとく吹いてきた「ゆとり教育」という追い風に何としても乗ろうと必死の様子が、「中学受験本」の内容からも、出版点数からもありありと見て取れるのである。一方、横這い状態の「高校受験」「大学受験」は、さほど有望なマーケットとはみなされていないようだ。
これら「中学受験」本の特徴を一言で表すならば、「公立校に対してはどこまでも厳しく、私立の中高一貫校に対してはどこまでも甘く」(『亡国の中学受験』)というものである。その論法は実に巧妙で、およそ人の子の親であるなら、これらのうち1冊でも手にとって読めば公立校に対する不安を掻き立てられること請け合いである。実際これらを読んでわが子の中学受験を決意したという親も多いのではないだろうか。
だが、ここで冷静さを失っては著者たちの思うツボにはまることになる。やはり数字に語らせてみようではないか。
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公立校の実際
公立校とは「本当に」そんなにひどいのか。
次の表2を見られたい。
表2 東京大学入試合格者数とその出身高校 2011年
人数 |
46- |
41-45 |
36-40 |
31-35 |
26-30 |
21-25 |
16-20 |
11-15 |
6-10 |
1-5 |
私立 |
7 |
1 |
1 |
5 |
4 |
6 |
3 |
12 |
15 |
143 |
国立 |
2 |
|
|
1 |
|
|
|
3 |
2 |
5 |
公立 |
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1 |
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4 |
2 |
6 |
13 |
33 |
173 |
これは、2011年の東大入試合格者の出身高校を、私立、国立、公立に分け、さらに何名ずつ合格者を出している高校が何校あるかを調べたものである。これによれば、この年、46名以上の合格者を出している高校は私立が7校、国立が2校あり、公立高校では41名以上の合格者を出しているところはない。
つまり、東大合格上位10校は、すべて私立と国立の中高一貫校が占めていることになる。全合格者3000名強のうち、これら上位10校だけで800名ほど、およそ4分の1強になる計算だ。
ただし、これらの超エリート校を別にすれば、私立・国立校と公立校の合格者数がほぼ拮抗していることもこの表から見て取れるのではないだろうか。この年、東京大学に合格した公立校出身者は1000人強であったが、これは全合格者から超エリート校10校を除いた残りのほぼ半数が公立校の生徒だったということである。
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