大学入試センター試験が廃止(続き)
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高校でも大学並みの授業
「うちの子がこんな問題に答えるのは無理」と驚かれた方もいるだろう。それもそのはずで、国際バカロレアの成績優秀者にはハーバード大学など世界の一流大学への入学が認められ、さらに飛び級できることもあるという。そんな「特別扱い」が認められるのも納得のハイレベルの設問なのだ。
このように、問題の質にしても、論文という形式にしても、大学入試センター試験とは根本的に異なる種類の学力が求められるのである。
けれども、このような問題に対処できる学力を育てるためには、高校であっても言わば大学並みの授業をしなくてはならなくなる。しかも一流大学並みのレベルである。だとすれば担当する教師の負担も相当なものだが、生徒も並大抵の努力では付いていけないことは想像に難くない。
平均的な学力は下がる?!
そうなると、逆に付いていけない生徒の学力は「詰め込み教育」のとき以上に悲惨なものとなる可能性もある。それというのも、深く考えるタイプの勉強では、「本質的なもの」が得られる代わりに、学べる知識の量は少なくなりがちだからだ。つまり、「思考力」のなさを「知識の量」で補うような勉強では高評価を得ることが難しい。
結果的に、一部の突出した生徒を除けば、「思考力」と「知識」をともに欠いた生徒が量産される可能性も否定できないだろう。平均的な学力はむしろ下がるおそれもある。少なくとも、「新しい学力観」に人々が慣れるまではそうなる可能性が高い。
そのような事態を避けるために、「詰め込み」的な学力も引き続き求められる可能性もある。
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どっちつかずの状態が続く
つまり、ここしばらくは「国際バカロレア的な学力」と「詰め込み的な学力」のどちらを重視するべきか、どっちつかずの状態が続くということだ。現在小学生である子どもたちは、そのどちらにも対応できる力を求められることになるのである。
この状況は、ある意味で中高一貫校の生徒に有利であると言われている。中学受験から詰め込みを始めて中学生くらいまでに高校までの課程を終え、時間をかけて大学受験に備えるといった対策が中高一貫校では可能だからだ。
そのような学校では、「国際バカロレア的な学力」に通じるリベラル・アーツのような授業を行なっている学校もある。なかば伝説化している灘高校の『銀の匙』の国語授業はその典型である。
好奇心と探究心を育てよう
だが、公立校であっても「総合的な学習の時間」を工夫すれば「国際バカロレア的な学力」を養成することは決して不可能ではないし、通常の英国数社理の授業であっても「国際バカロレア的な学力」のために役立てることができるかも知れない。重要なのは、子どもの好奇心や探究心を育てようとする大人の態度である。日ごろから「なんだろう、なんだろう」と思っている子どもが、学校で「ああ、そうだったのか」と気が付き、さらにもっと深く知りたいと思うように導いてやるならば、たとえ公立校にあっても「国際バカロレア的な学力」は育つのではないだろうか。
これは学校だけの問題ではない。むしろ親が子どもに対して小学生のころからどんな体験をさせているか、子どもとどんな会話をしているかに関わってくることである。そのためには親も教師同様に学ばなくてはならないだろう。
だが、そのような一見遠回りのように見えることこそ、大学入試センター試験廃止後をも見据えた学力対策になるのだ。
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