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「分数ババぬき」「分数神経衰弱」

 こうしてカードさえできれば、もうそれだけでトランプのように「神経衰弱」や「ババぬき」などを楽しむことができる。(「ババぬき」の場合は、「 [1/2]」だけを残して「 [2/4]  [3/6]  [4/8]」のカードを抜いておく[ブラウザによっては分数がうまく表示されないことがあります。以下同じ]。あるいは新たにジョーカーを作って加えてもよい。)

 「神経衰弱」のゲームをする場合は、トランプの神経衰弱と同じように同じ数を見つけて取っていけばよい。例えば「 [1/2]」と「 [2/4]」は同じ数なので、取ることのできる組み合わせである。

ただし、同じ数がわかるためには、カードをめくるたびに約分するなどして計算しなければならない。だから、ふつうのトランプ・ゲームでする神経衰弱よりもかなり難易度が高い。計算が面倒なだけではなくて、カードの場所が覚えにくいのである。とくに子どもが分数にまだ慣れていないうちは、いっしょに遊んでいる親が助け船を出すことも必要となる。また、カードの枚数を44枚全部使うのではなく、「 [1/2]」から「 [6/8]」までのカード計20枚だけで遊んでもいいかも知れない。

 

「足して1になる組み合わせ」

 また、子どもが簡単な分数の計算ができるようになり、「 [1/3]+ [2/3]= 1」のような「足して1になる組み合わせ」がわかるようになると、「足して1になる神経衰弱」も遊ぶことができる。この場合は、例えば「 [2/3]」と「 [4/6]」は同じ数なので、「 [2/3]+ [2/6]= 1」となり、従って「 [2/3]」と「 [2/6]」の組み合わせでも取ることができる。

意外に思われるかも知れないが、実際にゲームをしてみると、「足して1になる神経衰弱」のほうが「同じ数を合わせる神経衰弱」よりも易しく感じられることがある。

 

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「分数絵合わせゲーム」

 また、この分数カードを用いて、花札のような絵合わせゲームも楽しむことができる。

遊び方は、手札を16枚ほど配り、場に8枚ほど並べた真ん中にカードの山を置く。プレーヤーは、手札にあるものと同じ数(これも約分などして同じになる数という意味である)のカードが場にあれば、それらを合わせて自分の点数にすることができる。もし手札と場に同じ数のカードがないようなら、手札から適当な1枚を選んで場に捨てなければならない。こうしてカードを合わせるか捨てるかした後に、山から1枚をめくる。めくったカードと同じ数が場にあれば、合わせて自分の点数になる。同じ数が場にないときは、めくったカードは場に捨てなければならない。各プレーヤーは、じゃんけんなどで順番を決めて、これをくり返す。

 上の説明は、「同じ数を合わせる」ゲームの場合だが、ここで作った分数カードを用いて遊ぶ場合は、これだけでなく「足すと1になる数を合わせる」ゲームも同じように遊ぶことができる。

 また、点数計算のしかたについては、単純にカードの枚数だけでは差が付かないことがあるの。そこで、例えば「 [1/2]」「 [1/3]」「 [2/3]」「 [1/4]」「 [3/4]」といった、「これ以上簡単にならない分数」の形であるものは他のカードより点数が高いなどのルールを決めておくと、よりゲーム性が高まって、もっと面白くなるだろう。

 

「最大公約数」「最小公倍数」の学習にも

 この分数カード・ゲームは、作り方も簡単だし、ここで紹介したゲームそのものもトランプや花札などのゲームを応用したものなので、ルールを覚えるのは難しくない。けれども、実際に遊んでみると、約分や通分などの計算を瞬時にやらなければならないので、大人にとっても意外に頭の体操になる。子どもの計算練習になることはもちろんだ。

さらに、より上級で習う「最大公約数」や「最小公倍数」などの考え方の基本も自然に身に付くようになっている。単に分数に慣れるというだけでなく、低学年の算数を高学年の算数へとスムーズにつなげていくためにも、ぜひおすすめしたいゲームである ()

 

() 中学年から高学年にかけての算数を「これでもか」というくらいに、ていねいに説明しているのが、『算数の探検』(遠山啓ほか)です。まさに「塾いらず」といった内容の本。著者の遠山啓氏は、数学教育に情熱を傾けた数学者で、岩波新書にある大人向けの本もおすすめです。

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